思わず発見 運転中の錯覚に要注意!事故を起こさないために知っておきたい視覚の落とし穴
  • 思わず発見
  • 2018.09.25

運転中の錯覚に要注意!事故を起こさないために知っておきたい視覚の落とし穴

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人は視覚から多くの情報をキャッチしています。クルマを運転する際も、目で見た状況を判断してクルマを操作することがほとんどで、視覚は運転において非常に重要な役割を果たしています。

一方で、人は時に“錯覚”を起こす場合があり、実際に錯覚が原因で交通事故が発生しているケースも少なくありません。そこで今回は、目の錯覚や運転中に起こりうる人の反応などについて学びます。

どのような状況で錯覚が起こるかを理解することで、対策をしたり惑わされずに運転したりでき、事故や危険に遭遇するリスクを減らせるはず。初心者はもちろん、運転に慣れている人でも錯覚を起こす可能性がありますので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。

夜の運転は要注意!錯覚で事故を起こさないために

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蒸発現象

「蒸発現象」とは夜間の走行中に、自車と対向車のヘッドライトの光が交錯する位置にいる横断歩行者が突然見えなくなってしまう現象です。ハイビームを使用しているときや、雨で路面が濡れて光が乱反射するときなどに起こりやすくなります。

蒸発現象そのものを防止するのは難しいため、そういった可能性があることを認識し、すれ違い時はヘッドライトをロービームに切り替えたり、できるだけスピードを落として走ったりすることが大切です。

溶け込み現象

日暮れの薄暗い時間帯や日中のトンネルに入る瞬間など、黒色系のクルマが暗さに溶け込んでしまうのが「溶け込み現象」。夕方は、まだ十分見えると油断せずに早めのライト点灯を心がけましょう。

また、自車が見えにくくなりそうな場合は、早めにライトを点灯させたり、トンネルを出たあとにテールランプを長めに点灯させておいたりして、後続車に追突されないような対策をとる必要があります。

眩惑

「眩惑」は目の錯覚とは少々異なるものの、夜の運転時に注意したい現象のひとつ。対向車のヘッドライトのまぶしさで視力が一時的に失われ、目の眩みが回復するまでには数秒必要とします。

ヘッドライトがまぶしいときは、光を直視しないように視線を少しそらすようにしましょう。夜間運転用のサングラスなども有効です。同時に、夜間運転するときはできる限り対向車に配慮することが求められます。

トンネルでは明るさ・周囲の環境の変化に気をつけよう

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ブラックホール現象・ホワイトホール現象

「ブラックホール現象」とは、トンネルの中・外で明るさに大きな差があるため、トンネルの入口付近では内部の状況が見えず、トンネルが黒い穴のように見える現象。反対に、出口付近では外が非常に明るいため、出口が白い穴のように見えるのが「ホワイトホール現象」です。

■暗順応・明順応とは…?
これには、目が暗さや明るさに慣れるために感度を調整する「暗順応」「明順応」が深く関係しています。トンネルの入口付近ではそれまで明るい環境にいたため暗いトンネル内が見えず(暗順応の遅れ)、逆にトンネル出口付近では暗さに慣れているため光量の多い外の様子が見えません(明順応の遅れ)。

そのためトンネル出入口付近では、前方の障害物を見落としたり、渋滞していることに気がつかず事故を引き起こしたりするケースがあります。一般的に、明順応より暗順応のほうが時間がかかるとされ、年齢や体調などによっても順応の遅れが大きくなります。

トンネルに入るときは早めにライトを点灯して前方を照らすとともに、周囲に自車の存在をアピールし、出るときもライトは長めに点灯。また、順応の遅れで見えにくくなっても追突することのないように、出入口付近では車間を十分にとるようにしましょう。

体感速度の狂い・無意識の幅寄せ

通常は周囲の景色が遠くでゆっくり流れるのに対して、トンネルに入ると壁が迫り、後ろに流れる景色が近く、強い刺激を受けます。それによってスピードが速いと感じてしまい、無意識にスピードを落として渋滞を引き起こしたり、追突されたりするケースがあります。

また、高速道路のトンネルなどでは壁の圧迫感を受けることで、接触を恐れて無意識に内側にクルマを寄せてしまう場合も。

トンネルに侵入するときは、隣の車線のクルマと並ばないようにタイミングをずらすなどの工夫をし、走行中も慌てずクルマの流れや白線を意識しながら運転するように心がけましょう。

追従静止視界

「追従静止視界」とは、前車に追従して同じ速度で走行していると、自車が止まっているような錯覚に陥る現象。

運転中は景色の流れで速度を感じる「流体刺激」を受けていますが、これはドライバーにとってストレスとなります。長時間運転していると、流体刺激のストレスから逃れるため無意識に前を走るクルマだけに視線を集中させるようになり、まるで静止しているような感覚になるのです。

特に周囲の景色に変化の少ないトンネル内や夜間に起こりやすく、前車に合わせて知らぬうちに速度を上げてしまったり、極端に車間を詰めてしまったりします。また、運転感覚が鈍っているためにブレーキなどの対応が遅れることも。

追従静止視界で事故を起こさないためには、意識的に速度をメーターで確認し、きちんと車間距離を確保することが必須。長時間運転する場合は、適度に休憩を取ることも忘れないようにしましょう。

実際の道と違って見えることがある!?

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縦断勾配錯視

「縦断勾配錯視」は坂道を正面から見ると、見かけの傾斜と実際の傾斜が異なってしまうという錯覚。勾配が変化するポイントにおいて、上り坂が下り坂に見えたり、下り坂が上り坂に見えたりします。

日本各所にも、縦断勾配錯視が起きる“ゆうれい坂”と呼ばれる場所があるほど。実際の勾配と運転者が感じている傾斜具合が異なるため、アクセル操作が逆になって無意識に速度を出しすぎたり緩めたりすることになります。

追突の恐れなどがありますので、錯覚に惑わされずに、坂道では周囲のクルマの流れやメーターを確認しながらアクセルを操作するとよいでしょう。

曲方指向

運転していると左カーブでは左、右カーブでは右が広く見えてしまうため、無意識に広く見えるカーブの内側へ寄ってしまうのが「曲方指向」です。

内側に寄ってしまうと、歩行者への接触や対向車との衝突などの危険性があります。また、山道などのS字カーブで内側に寄りすぎると、次のカーブに対応しきれなくなる場合があるので注意が必要です。

平衡感覚の狂い

カーブを走ると遠心力でクルマが外側に傾きますが、外側へふくらむ不安から体を内側に傾けて運転してしまう場合があります。すると平衡感覚に狂いが生じ、ハンドル操作をミスしたり、道路が傾いて見えたりする錯覚に陥る可能性があるのです。

初心者に多く見られますが、思わぬ危険を生む恐れがあります。カーブが連続する道では、無理に体を傾けて運転することのないように心がけましょう。

思わぬところで事故が多発。視界は広く保とう

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視覚吸引作用

「視覚吸引作用」は、危険なものや興味を引かれるものを無意識に見つめてしまう人間の習性。この作用で隣を走るクルマや車線変更中の先行車などに目が釘付けになると、視線と連動して知らぬうちにそちらの方向に近づいてしまい、ふらつきの原因になったり事故を起こしたりします。

習性から視線が一点に集中してしまう場合があることを念頭に置き、運転中は周囲に広く目を配るように心がけましょう。ダッシュボード上のものに目が奪われるケースもありますので、運転の妨げになるものは運転席の周りに置かないことも大切です。

コリジョンコース現象

見通しの良い道路であっても、ドライバー同士が互いのクルマを認識できなくなってしまうのが「コリジョンコース現象」。結果的に衝突事故が起こるケースが頻発しており、「田園型事故」や「十勝型事故」(北海道の十勝地方で多かったことから)と呼びます。

視界の開けた田園地域などにおいて、直角で交わる交差点に2台のクルマが同じ速度で接近すると、お互いの位置関係は斜め45度の位置から変化せず、相手のクルマに気づかなかったり、止まっているように見えたりします。動きのないものは周辺視野(視界の中心部以外)では認識しにくいため、直前までお互いの存在を意識できずに衝突してしまうのです。

こういった地点では、しっかりと目線を動かしてクルマが接近していないか目視したり、見通しが良いからと行って油断せずに速度を落として安全を確認したりすることが大切です。

▼JAFによるコリジョンコース現象の解説動画

車体の大きさの違いによる距離の錯覚

交差点においては、車体の大きさの違いから距離感を錯覚してしまい、思わぬ事故を引き起こしてしまう場合があります。実際の距離は同じでも、トラックなどの大きな車両は近くに見えるのに対して、バイクなどの小さな車両は遠くに見えてしまうのです。

距離と速度の見当を間違うことで、直進しようとする対向車線のバイクに右折するクルマが衝突する「右直事故」が多く発生しています。車体の大きさによって実際の距離と違って見える場合があることを頭に入れ、安全を確認して運転するようにしましょう。

錯覚の可能性を知って安全運転を

人間である以上、どうしても避けられない現象が存在するのはやむを得ないこと。クルマに慣れていても目の錯覚が起こることはありますので、そういった時間帯やポイントでは特に注意して運転しましょう。

目の錯覚などによる事故を防ぐためには、視界を広く保ったり、スピードを出しすぎないように心がけたりと、基本を押さえることが有効です。運転には感覚も非常に大切ですが、それだけに頼りすぎることのないよう、初心を忘れずに運転してくださいね。

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