知る楽しみ 燃費も走りもお任せ!日本を代表する軽自動車の歩み【スズキ・アルト】
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  • 2018.07.20

燃費も走りもお任せ!日本を代表する軽自動車の歩み【スズキ・アルト】

スズキ・アルト1

軽自動車は近年とても人気のあるジャンル。道路を運転していると、日本全国どこでもたくさんの軽自動車を見かけることになるでしょう。

特に日常生活での移動手段として活躍する軽自動車ですが、なかにはスポーティな走りができるクルマとして進化している軽自動車もあります。

その両方の側面を持ち、軽自動車における名車のひとつと言われるのがスズキ「アルト」です。アルトは40年近くの歴史を持ち、現代に続く軽自動車の市場を切り拓いてきました。

現行モデルは軽自動車ならではの経済性に優れたクルマとして、ガソリン車No.1(JC08モード)の燃費(*1)を誇ります。また、スポーツモデルとして誕生した「アルトワークス」は軽自動車の馬力自主規制のきっかけを作った伝説を持ち、近年待望の復活を遂げました。

そして、アルトは2016年次のRJCカーオブザイヤーを受賞したクルマでもあり、誕生から現代に至るまで軽自動車市場に大きな影響をもたらしてきた存在。今回は、そんなスズキ・アルトにスポットを当ててみましょう。

(*1)……2018年4月時点, ハイブリッドを除く。2WD CVT車, 派生車種を含まない。他社にも同燃費値の車種あり。
出典(表紙):スズキ公式(http://www.suzuki.co.jp/car/alto/)

軽自動車普及の立役者。スズキ「アルト」の誕生

「アルト(ALTO)」は、イタリア語で“秀でた・優れた”という意味。

スズキ・アルトはいったい、どういった点で秀でたクルマなのでしょうか。40年近くの歴史を持ち、日本の軽自動車を代表する存在として多くの人々に親しまれてきたこのクルマの歴史を見ていきましょう。

出典:スズキ歴史館(https://www.suzuki-rekishikan.jp/facility/)

出典:スズキ歴史館(https://www.suzuki-rekishikan.jp/facility/)

▲初代アルト

アルトが誕生したのは1979年のこと。

日本では、1970年頃からクルマが各家庭に普及しはじめ、女性ドライバーも増加していきました。そんななか、スズキの軽乗用車の看板車種であった「フロンテ(5代目)」の姉妹車種として生まれたのが初代「アルト」です。

当時、軽自動車は一般的には60万円程度。アルトは、自動車業界初の全国統一価格にして破格の47万円で売り出されました。この場面では、まさに低価格に秀でたクルマです。

その驚異的なリーズナブルぶりは「アルト47万円」というキャッチコピーとともに話題となり、アルトは女性・主婦を中心に大ヒットします。結果、セカンドカーという新しい市場を開拓し、軽自動車市場を活性化させる役割を果たすことになりました。

この安さの理由は、後席をベニヤ板製にしたり、ラジオをオプションにしたりと、とにかく“実用”を重視した機能優先の車種だったためです。

車体についてだけでなく、物品税がかからない軽商用車(4ナンバー)として登録したことも、低価格を実現する工夫のひとつ。結果的に「軽ボンネットバン」というジャンルの火付け役にもなりました。

アルトの爆発的な人気により、スズキは軽自動車のトップメーカーに踊り出ます。また、インドにおいてもアルトをベースとした車種が大ヒット。国民車とさえ呼ばれるような存在となり、スズキはインドでの地位を築くに至ります。

現在もスズキは軽自動車を積極的に発売していますが、その歴史を遡った先には、現在まで販売されているアルトの大きな功績があると言えるでしょう。

軽ホットハッチの代名詞「アルトワークス」のデビュー

出典:スズキ公式(http://www.suzuki.co.jp/car/alto_works/styling/)

出典:スズキ公式(http://www.suzuki.co.jp/car/alto_works/styling/)

▲アルトワークス(5代目・現行モデル)

初代の誕生から女性を中心にかなりの人気を博したアルト。

このクルマが軽自動車の市場において不動の地位を確立させるに至った経緯において、「アルトワークス」の存在は欠かせません。アルトワークスが人気をさらに加熱させたした歴史を見ていきましょう。

誕生からおよそ5年後の1984年、アルトはフルモデルチェンジを受けて2代目となります。

2代目はよりターゲットに合わせ、曲面を入れた女性好みのデザイン、女性でも乗り降りしやすい日本初の回転ドライバーズシート(運転席をドア側に回転させられる)を取り入れるなど、女性に優しいクルマとしてアピール。

また、最低限の作りであった初代と比較して、タコメーターを標準装備するなど、豪華な作りとなりました。そんな2代目も継続して人気が高く、1985年には初代からの国内累計販売台数が100万台を達成します。

軽自動車市場ではその頃、各メーカーから発売されたターボエンジン搭載の車種が話題となっていました。

1987年、そこへ2代目アルトのスポーツモデルとして投入されたのが初代の「アルトワークス」です。

出典:スズキ デジタルミュージアム(http://www.suzuki.co.jp/about/museum/1980s/)

出典:スズキ デジタルミュージアム(http://www.suzuki.co.jp/about/museum/1980s/)

▲初代アルトワークス(RS-X)

当時の軽自動車の規格は550cc。そのなかでアルトワークスは、軽自動車初となるツインカムターボエンジンを搭載し、64馬力を叩き出しました。

普通乗用車では1989年頃から280馬力規制が敷かれましたが、それよりひと足早く、アルトワークスは軽自動車の64馬力の自主規制を作った車種として伝説が語られています。

アルトワークスのラインナップは、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)とフルタイム4WD(四輪駆動)。600kg程度の軽い車体とハイパワーなエンジンで、1.6Lのスポーツカーにも引けを取らない運動性能を発揮しました。

全日本ラリー選手権でも抜群の速さ・強さを見せつけ、“安くて速い”アルトワークスは若者向けのスポーツカーとしてヒット。軽ホットハッチという新しいジャンルを生み出すとともに、アルトはベストセラーカーとしての地位を築いていったのです。

アルトワークスは販売中止。経済性重視のクルマへ

出典:スズキ公式(http://www.suzuki.co.jp/car/alto/performance_eco/)

出典:スズキ公式(http://www.suzuki.co.jp/car/alto/performance_eco/)

▲アルト(8代目・現行モデル)

その後も、アルトやアルトワークスはモデルチェンジを繰り返し、時代に合わせて進化していきます。

1988年には3代目が登場し、翌年には姉妹車であった「フロンテ」がアルトに統合。商用車としてではなく、軽乗用車(5ナンバー)としてのアルトが誕生します。

アルトが3〜5代目とモデルチェンジをするのと同時に、アルトワークスも2〜4代目へとモデルチェンジしていきました。

1989年には、軽自動車の規格改正とともにフルモデルチェンジが行われ、5代目アルト・4代目アルトワークスが発売。ボディサイズは拡大されたものの、相変わらず軽量な設計でした。

しかし、その頃になると、世の中の需要はスズキ「ワゴンR」に代表されるような、今に続くトールワゴン型の軽自動車が流行するようになります。

そういった状況を受け、2000年のマイナーチェンジ時にアルトワークスはシリーズから姿を消しました。一方で、アルトは燃費性能の向上などに努め、軽自動車初となる「優-低排出ガス車」の認定を受けるに至ります。

その後、6〜7代目では改めて女性にターゲットを絞り、アルトは柔らか・若々しいといった雰囲気の軽自動車となりました。また、さらなる軽量化や副変速機構付CVTを採用するなど、環境性能と経済性を実現する改良が行われます。

燃費は向上していき、2011年には低燃費仕様の「アルトエコ」が発売。2014年には、アルトエコが「e燃費アワード2014-2015」総合部門に輝き、実燃費23.2km/Lとハイブリッド車をしのぐ燃費の良いクルマとして注目を浴びました。

原点回帰。日常で使いやすい軽自動車ならではの魅力

出典:スズキ公式(http://www.suzuki.co.jp/car/alto/styling/)

出典:スズキ公式(http://www.suzuki.co.jp/car/alto/styling/)

▲アルト(8代目・現行モデル)

かくして進化してきたアルトですが、2014年より発売されている現行モデルは8代目。8代目アルトは、初代のコンセプトを受け継ぐモデルとして開発されました。

アルトは、軽自動車市場では相変わらずトールワゴン型が主流となっている現代において、あえてベーシックな軽セダン。しかし、燃費・走り・デザイン・安全性能などを進化させ、初代の原点に立ち返るような軽自動車ならではの強みが発揮されているのです。

日常的な利用にこそ馴染むシンプルかつスタイリッシュなデザインはもとより、燃費の良さや、ぐっと向上した安全性能が現行モデルの大きな魅力。

生活の役に立つクルマであるために、燃費は37.0km/L(JC08モード)でガソリン車No.1(*2)。エネルギー効率のよいエンジンや軽量な車体はもちろんのこと、さまざまなエネルギーマネジメント技術や、エコドライブをアシストする機能も充実しています。

さらに、2014年の発売当初から、近年多くのクルマで採用されるようになった先進安全技術も搭載。(モデルによってはオプションの場合もあり。)

レーダー・ブレーキ・サポート(衝突被害軽減ブレーキ)や誤発進抑制機能が設定されていたり、横滑りなどを抑えるESP(車両走行安定補助システム)が標準装備されていたりと、アルトはどんな人でも安心して乗れるクルマと言えそうです。

(*2)……2018年4月時点, ハイブリッドを除く。2WD CVT車, 派生車種を含まない。他社にも同燃費値の車種あり。

■15年の時を経てアルトワークスが復活!

出典:スズキ公式(http://www.suzuki.co.jp/car/alto_works/styling/)

出典:スズキ公式(http://www.suzuki.co.jp/car/alto_works/styling/)

▲アルトワークス(5代目・現行モデル)

アルトは現代の日常使用にフィットした軽自動車に進化していますが、かつて多くのクルマ好きを魅了したアルトワークスも近年、進化して復活しています。

2014年頃、国内では再び軽スポーツのニーズが高まり、ほかのメーカーから発売された軽スポーツが話題になっていました。

そういった状況で、スズキは2015年3月に「アルト ターボRS」を発売。現行のアルトをベースに本格的な走りの要素を加え、軽ホットハッチの復活か? と注目を浴びます。

ターボRSはMTとATの利点を生かした「AGS」(オートギアシフト。一般的にはAMT=セミオートマチック)を採用し、パドルシフトを使用してスポーティな走りができる車種でした。

一方で、ターボRSにはMTの設定はなく、かつてのワークスのようなMTモデルを待ち望むファンも多かったよう。

当初はワークスを復活させる計画はなかったようですが、そういった状況を受け、2015年12月には5代目となるアルトワークスが発売されます。

ターボRSをベースに、さらに性能を向上させ、トランスミッションには5速MTと専用チューニングの5速AGSを設定。満を持して、ハイパワーな軽ホットハッチとしてアルトワークスが復活したのです。

現行アルトワークスは「いま、マニュアルに乗る」というキャッチコピーを掲げており、事実、新車販売の約9割がMT車(*3)だというから驚き。クルマと一体となるようなフィーリングが味わえるクルマに仕上がっているようです。

(*3)……2016年2月時点。

軽自動車の歴史とともに道を歩んできたクルマ

出典:スズキ公式(http://www.suzuki.co.jp/car/alto/styling/)

出典:スズキ公式(http://www.suzuki.co.jp/car/alto/styling/)

▲アルト(8代目・現行モデル)

近年、国内の新車販売に占める軽自動車の割合は約40%に及ぶほど。商用車として街を走っているクルマも多数ありますし、地方などでは家庭のセカンドカーとして活躍しているという場合も多くあります。

そんな日本の軽自動車の歴史とともに道を歩んできたクルマが、今回紹介したスズキ・アルトです。8代目となる現行モデルにおいても、軽の規格に新たな息吹を与えたいという想いのもと、開発されてきました。

2016年12月には、スズキ初となる国内累計販売台数500万台(アルトラパンを除く)を達成しており、今後もアルトのシリーズがどのように発展していくのかが期待されます。

*記載している内容は取材時のものです。

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