知る楽しみ RVブームの立役者!本格4WDとしての誇りを貫く名車【三菱・パジェロ】
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  • 2019.01.29

RVブームの立役者!本格4WDとしての誇りを貫く名車【三菱・パジェロ】

パジェロ1

近年では「SUV」がクルマの人気ジャンルとしてすっかり浸透していますが、少し前までは「RV」(Recreational Vehicle=レジャーを楽しむためのクルマ)という呼び方が一般的でした。そして、そのRVの歴史を築いた車種の代表的存在が「三菱・パジェロ」です。

パジェロは三菱が誇るエポックメイキング的なクルマでもあり、誕生から35年以上経った現在でも熱狂的なファンが少なくありません。かつてテレビ番組の景品になっていたこともあり、年代を問わず、その名前を聞いたことがある人はかなり多いはず。

今回は、そんなパジェロがどのように誕生し、どんな道を歩んできたのかを見ていきましょう。キャンプなどを楽しみたい人にとっては特に魅力的なクルマですよ。

出典(表紙):三菱公式(https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/pajero/styling/)

本格4WDとしてのDNAを持って誕生

出典:三菱公式(https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/pajero/styling/)

出典:三菱公式(https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/pajero/styling/)

パジェロは後に三菱の4WDを代表する車種となりますが、そのDNAの起源は戦前にまで遡ります。

1935年、三菱重工神戸造船所は陸軍自動車学校からの指示を受け、日本初のフルタイム4WD「PX33」を試作します。そこから三菱の4WDの歴史は始まり、パジェロをはじめとする車種が今に至るまでそのパイオニア精神を受け継いでいるのです。

戦後になると、三菱はウィリス社のノックダウンで「ジープ」を生産し、じきに三菱・ジープを作るようになりました。その頃の4WDは自衛隊や警察、林野庁といった公用のクルマとして使用されており、あまり快適さは重視されていませんでした。

ですが、1970年代になると人々のライフスタイルが多様化し、釣りやキャンプなどのレジャーユースで頼れるようなクルマが求められるようになります。そこに着目し、一般ユーザーにも使いやすい実用性と走破性をあわせ持つモデルとして開発されたのが「パジェロ」なのです。

パジェロという名前が初めて登場したのは、1973年東京モーターショーでのこと。ジープベースのオープンバギー「ジープパジェロ」として出展されますが、当時は「ギャラン」や「ランサー」が大人気の時期で、まだパジェロを市販化する流れはありませんでした。

その後、ピックアップトラック「フォルテ」を発売すると評判が良く、フォルテと同じシステムを使った4WDを作ることになります。そして、1979年の東京モーターショーで初代に近いコンセプトカー「パジェロⅡ」を出展して好評を博し、1982年にはついに初代パジェロが誕生しました。

出典:三菱公式(https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/pajero/special/pride/history/)

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▲初代パジェロ

「パジェロ」という名前は、南米・パタゴニア地方に生息する野生の猫「パジェロキャット」に由来しており、“野生”と“美しさ”を調和させるという願いが込められています。

そんな期待通りに、頼れる本格4WDでありながら、乗用車として快適に乗ることができるというパジェロは見事に時代の需要を捉え、予定月販台数1,900台に対して2年目には2,800台、5年目には7,000台超える人気車種となりました。

デートカーブームの追い風とラリーでの活躍

出典:三菱公式(https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/pajero/styling/)

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初代デビュー当初のパジェロは、4ナンバー(小型貨物)車で、金属製の屋根を持つメタルトップと幌型のキャンバストップという2種類のラインナップでしたが、翌1983年には5ナンバー(小型乗用車)車のワゴンモデル、5ドア3列シートのロングボディモデルを発売します。

さらに1985年には独自開発のAT車を初搭載し、1988年にはエンジンや、サスペンションなどの足回りも改良。オフロード性能と乗用車並みの扱いやすさの両立に磨きをかけ、親しみやすいクルマとなります。

こうしてクロスカントリー4WDの先駆者としてファンから支持されたパジェロですが、その存在をより一般へ浸透させるきっかけとなったのが、1987年にリリースした「エクシード」というグレードです。

エクシードは本革シートなど豪華装備を採用したグレードでした。開発側はあまり売れると思っていなかったものの、予想に反してこれが大ヒットします。

当時はデートカーブームで、多くの若者がスタイリッシュなクルマを求めていた時代。スキーブームも重なり、高い走破性を持つ4WDでありながら、乗用車としての満足感を得られるパジェロの高級グレードは全天候型デートカーとして人気を博しました。

また、世界一過酷と言われるパリ・ダカールラリーへの参加も、パジェロを一躍有名にした大きな要因です。

パジェロは発売翌年の1983年には市販車無改造クラスでデビューウィンを飾り、1985年には初の総合優勝。その後も数多くの輝かしい成績を収め、2009年のワークス活動撤退までに通算12回の総合優勝を果たしています。

ラリーでの活躍は、日本国内で頼れる4WDとしての印象を与えただけでなく、海外でも大いに存在感を見せつけ、輸出台数の急増にもつながりました。

RVブームを牽引。4WDを代表する車種に

出典:三菱公式(https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/pajero/special/pride/history/)

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▲2代目パジェロ

1991年、パジェロは初のフルモデルチェジを行います。2代目はパジェロならではの機能性と野性味を残しつつ、乗用車として都会的なファッション性を持つようなクルマとして開発されました。

2代目ではロング・ショートそれぞれにワイドボディを含む複数のモデルが設定され、幅広いバリエーションを展開するとともに、メカニズム面も大きく進歩しました。

当時は2WDから4WDに切り替えるためには一度停止してギアを入れ替える必要がありましたが、2代目パジェロでは世界初の4WDシステム「スーパーセレクト4WD」を搭載し、この手間をなくすことに成功。「マルチモードABS」や国産オフロード4WDでは初となる運転席のSRSエアバッグなども搭載し、安全面も向上させました。

90年代はオートキャンプなども人気になり、RVブームが訪れました。ほかのメーカーからもRVの車種が続々と発売され、街には背の高い4WDがあふれていたほど。

そんななか、パジェロはブームを牽引する代表的車種として高い人気を誇り、大成功を収めます。初年度販売台数は65,000台ほどで、輸出を合わせると140,000台以上。三菱のなかでも、ギャランを抜いて売り上げトップへと躍り出ました。

さらに、1997年のパリ・ダカールラリーにおいては、市販車ベース車両で篠塚健次郎選手が日本人ドライバーとして初優勝(チームとしては2度目)を達成。パジェロの名は国内外に轟き、その地位を不動のものとしました。

本格4WDとして生きる不変のポリシー

出典:三菱公式(https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/pajero/special/pride/history/)

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▲3代目パジェロ

1999年にパジェロは8年ぶりのフルモデルチェンジを受け、3代目となります。

“新世紀の世界基準パジェロ”をコンセプトに、3ドアのショート・5ドアのロングモデルともに全幅を3ナンバー車サイズに広げ、国内での使用を意識しつつ、国際的に通用するサイズのクルマとなりました。

また、フレームとボディを一体化させた新開発のラダーフレームビルトインモノコックボディを採用した点も大きな変化です。従来の3倍のねじり剛性を持つ強靭なボディでありながら軽量化にも成功し、サスペンションなどの改良も相まって、オンロード・オフロードを問わない安定した走りを実現しました。

そして、現行の4代目となるのは2006年のこと。3代目に続いてラダーフレームビルトインモノコックボディが採用されており、現代のニーズに合わせて内外装を洗練しながらも、大ヒットした2代目を彷彿とさせる要素も取り入れたデザインとなります。

2008年のマイナーチェンジでは、4年ぶりにディーゼルエンジンモデルを追加し、力強い走りと環境への配慮を両立しました。また、2015年には一部モデルでハイビーム・ロービームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」を標準装備するなど、安全性も向上しています。

このようにパジェロは時代に合わせて進化しながらも、本格4WDとしてのポリシーを貫き続けてきました。近年は都市型のコンパクトクロスオーバーSUVなどが主流になっていますが、パジェロのDNAに刻み込まれた本質はぶれることなく、それこそが根強い支持者が存在する所以でもあるのです。

▼パジェロのプロモーションビデオ

誕生から培ってきた本格4WDのチカラ

RVブームを牽引し、現在のSUV人気へと続く道を築いてきた三菱・パジェロ。本格4WDを代表する車種であり、特にキャンプなどのアウトドアレジャーを趣味とする人にとって、鍛え上げられた性能は非常に頼もしいものとなるでしょう。

そんなパジェロは現行の4代目がデビューしてからすでに10年以上が経過しており、フルモデルチェンジを期待しているファンもたくさんいます。今後も、パジェロがどのような道を突き進んでいくのか目が離せません。

*記載している内容は取材時のものです。

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