知る楽しみ “進化”は宿命?世界ラリーで活躍した三菱のビッグネーム【三菱・ランサーエボリューション】
  • 知る楽しみ
  • 2018.02.13

“進化”は宿命?世界ラリーで活躍した三菱のビッグネーム【三菱・ランサーエボリューション】

ランサーエボリューション

社会や技術の変化が速い現代において、ひとつの車種を長きに渡って生産し続けることは至難。事実、「名車」と呼ばれる存在のなかには、ロングセラーの記録を伸ばし続けているものもあれば、すでに絶版となってしまったものもあります。

今回紹介する「三菱・ランサーエボリューション」は、2015年に生産終了となった車種です。残念ながら新車を手に入れることは叶わないクルマですが、その人気は健在。復活を期待しているファンも少なくありません。

“Evolution(=進化)”という名を持って生まれたこのクルマは、誕生から生産が終了するまでモデルチェンジごとに進化を繰り返し、世界ラリー選手権(WRC)で実績を残すとともに、国内外からの熱い支持を獲得してきました。

そんなランサーエボリューションは今後、過去に名を馳せたクルマとして語られていくのか、それとも新しい未来が訪れるのか。まずは、これまでどのような道のりを歩んできたのかを見てみましょう。

出典(表紙):三菱自動車公式サイト
(http://www.mitsubishi-motors.co.jp/evo/special/final_2015/leaflet/)より

DNAに刻まれた“進化”という宿命

三菱・ランサーエボリューションは「ランエボ」や「エボ」という通称で親しまれたスポーツセダン。熱狂的なファンも多く、クルマが好きな人でその名を知らない者はほとんどいないと言われるような存在です。

1992年のデビューから2015年の生産終了まで23年間に渡って進化を続けてきたランサーエボリューション。数々のレースで強靭な走りを見せてきたこのクルマには、誕生する前からラリーでの勝利という目標があったのでした。

■ラリーで勝つために生まれた

出典:三菱自動車公式サイト(http://www.mitsubishi-motors.co.jp/evo/special/final/spec/evo1/)より

出典:三菱自動車公式サイト(http://www.mitsubishi-motors.co.jp/evo/special/final/spec/evo1/)より

▲ランサーエボリューションⅠ

そもそも「ラリー」とは、舗装道路だけでなく砂利道や雪道など、さまざまな条件の一般公道を走行する自動車競技のことです。

三菱は、ラリーの最前線で闘うことは市販車の開発のためにもつながるという考えのもと、ランサーエボリューション以前からラリーのための自動車開発に臨んでいました。

そのなかで、実際にWRCで好成績を誇った車種のひとつが「ギャランVR-4」。そして、その強力なエンジンやメカニズムをコンパクト・軽量な車種であった「ランサー」に移植して生まれたのが「ランサーエボリューション」です。

ラリーのために開発されたということもあり、当初はレース出場の公認審査(ホモロゲーション)を受けるために最低必要な生産台数である2,500台の限定発売だったそう。シリーズ化する予定もなかったと言われます。

しかしながら、ランサーエボリューションはハイパワーな小型セダンとして人気が集まり、追加生産される運びとなりました。

■最新技術に挑むモデルチェンジ

出典:三菱自動車公式サイト(http://www.mitsubishi-motors.co.jp/evo/special/final/spec/evo5/)より

出典:三菱自動車公式サイト(http://www.mitsubishi-motors.co.jp/evo/special/final/spec/evo5/)より

▲ランサーエボリューションⅤ

デビュー以降、Ⅰ〜Ⅹまでモデルチェンジを続けたランサーエボリューションですが、

・第1世代 Ⅰ〜Ⅲ(1992年〜)
・第2世代 Ⅳ〜Ⅵ(1996年〜)
・第3世代 Ⅶ〜Ⅸ(2001年〜)
・第4世代 Ⅹ(2007〜2016年)

このように大きく4つの世代に分けられます。モデルチェンジでは最新の技術が導入され、ランサーエボリューションは進化を遂げていきました。

1995年、エボⅡはスウェディッシュ・ラリーにおいて、シリーズでは初となるWRC優勝を収めます。その翌年にはエボⅢでトミー・マキネンがドライバーズチャンピオンを獲得。世界にランサーエボリューションの実力を見せつけることとなりました。

第2世代となるエボⅣではエンジンがさらにパワーアップし、最高出力が国内規制最高値の280PSとなります。また、左右輪の駆動をコントロールする新開発のAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)が採用され、旋回性能も向上しました。

第3世代では、前後輪の差動制限を制御するACD(アクティブ・センター・デフ)を搭載し、駆動力と操舵性を両立。車体の動きを統合的に電子制御することよって、高い走行性能を実現したクルマになっていったのです。

▼ランサーエボリューションが進化していく過程が窺える公式ムービー

世界レベルで鍛え上げられた走行性能

出典:三菱自動車公式サイト(http://www.mitsubishi-motors.co.jp/evo/special/final/spec/evo10/)より

出典:三菱自動車公式サイト(http://www.mitsubishi-motors.co.jp/evo/special/final/spec/evo10/)より

▲ランサーエボリューションⅩ

2007年には第4世代となるエボⅩが発売。その頃にはもうWRCから撤退していたものの、それまでに世界で培ったものが注ぎ込まれ、エンジンまで一新されるなど、さまざまな面において性能がさらに向上しました。

トランスミッションは通常の5速MTモデルのほか、新開発の「ツインクラッチSST(スポーツ・シフト・トランスミッション)」が搭載されたモデルも。こちらはクラッチペダルを使用しないシフト操作によって、ATのようなスムーズな変速とMTに近い加速が行えるようになっています。

また、4WDの駆動・制動が統合的に制御されるシステム「S-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)」が搭載され、あらゆる状況下でドライバーのイメージ通りに走行することが可能です。

このように、ランサーエボリューションはハイパワーなエンジンもさながら、世界ラリーで鍛えられた高性能な電子制御によって、卓越した走行性能を実現しています。それがこのクルマの大きな魅力のひとつと言えるでしょう。

かくしてファンから絶大な人気を誇ってきたランサーエボリューションですが、さらなるモデルチェンジはなく、2015年に発売した1,000台限定の特別仕様車「ランサーエボリューション ファイナルエディション」を最後に販売終了となりました。

国内外からの熱い支持。映画などの作品にも登場!

出典:三菱自動車公式サイト(http://www.mitsubishi-motors.co.jp/evo/special/final/spec/evo6/)より

出典:三菱自動車公式サイト(http://www.mitsubishi-motors.co.jp/evo/special/final/spec/evo6/)より

▲ランサーエボリューションⅥ

Ⅰ〜Ⅹまでのモデルがあるランサーエボリューションですが、2014年に行われた公式の総選挙の結果によると、最も多く票を集めたのはエボⅩ。さらにⅢ、Ⅸと続いています。

走りはもちろんのこと、ランサーエボリューションの見た目や音に惹かれるという人も多い様子。幅広い年代の人たちから憧れの眼差しを浴びているスポーツカーのひとつと言えます。

そしてランサーエボリューションは、映画や漫画などの作品中に登場することもしばしば。

人気のカーアクション映画「ワイルド・スピード X2」では、エボⅦが主人公・ブライアンの愛車として活躍します。またフランスの映画「TAXi2」では、エボⅥが主人公の乗る改造プジョーとのカーチェイスが見られます。

しげの秀一による大人気クルマ漫画「頭文字D」には、主人公側と対抗する勢力としてランサーエボリューション乗りのチームが登場。ほかにもランサーエボリューションが出てくる漫画やゲーム作品などがあるので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

復活する可能性も?三菱が誇る名車・ランサーエボリューション

23年の間に多くの功績を残したランサーエボリューションですが、社会の変化などの影響でニーズは減ってしまい、残念ながら現在は販売を終了しています。(2018年2月時点)

しかし、世界で培われてきた独創的な走りや“ランエボ”ならではの存在感に魅了されるファンは多く、今でも三菱を代表する車種のひとつと言えるでしょう。

一方で、生産復活が検討されているとの噂も。もしかすると、今後さらに進化したランサーエボリューションの姿を拝める日が来るかもしれません。

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