知る楽しみ 最高の音を作る秘密。それは音の匠を輩出し続ける「サウンドマイスター制度」にある【アルパイン試聴室Vol.2】
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  • 2016.02.26

最高の音を作る秘密。それは音の匠を輩出し続ける「サウンドマイスター制度」にある【アルパイン試聴室Vol.2】

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「アルパインの音がいいのは当たり前」
アルパイン株式会社のサウンドマイスターである鈴木秋雄氏のひと言は、力強い。

前回は車内音響の変遷と極意についてお伺いしました。

麺にモーツァルトを聴かせる!?サウンドマイスター鈴木氏に聞く車内音響の変遷と極意【アルパイン試聴室Vol.1】

インタビュー第2回の今回は、アルパインの音を守っていくために実施されている「サウンドマイスター制度」についてインタビューを敢行しました!

アルパインの音を守るために作られた「サウンドマイスター制度」

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− 鈴木さんは就職活動の際、人事部に直接、履歴書を持っていかれたということですが、このお話は本当ですか?

鈴木:当時、ちょっとイレギュラーで、電話をして「会社入りたいんで、面接してもらえませんか」っていいました。そしたら「来週来てください」といわれて行ったら、僕一人だけでしたね。

− 今の若い人にしたらすごく新鮮な話だと思います。

鈴木:そうですね。もともと僕がアルパインに入ったのは、クルマとオーディオが好きというシンプルな理由ですね。僕らの時代はクルマっていうと『/////ALPINE』というのが、ロゴマークと共に一番かっこよかったんですよ。

最初はそんな憧れで入ったんですけど、僕らが入った頃、ちょうど「サウンドシステムグループ」という新しい部門を作るという時期でタイミングがよかったんですよ。

僕が入社した頃は、自動車メーカーに対して車種ごとに音響の提案ってあんまり無かったのかもしれないんですけど、1990年前後から、クルマにオーディオを付けて自動車メーカーさんに提案をすることがはじまったんですね。それを担っていたのがアルパインの「サウンドシステムグループ」で、車種に合わせた最適な音響を作り出すのが「サウンドマイスター」という職種です。

− ちなみに御社にはサウンドマイスターを育てる制度があるとお伺いしたのですが、どういったことをされているのでしょうか?

鈴木:そうですね。「サウンドマイスター制度」は、結局「サウンドシステムグループ」という音を作る人たちの集団の中での若手育成と技術継承を目的に作られました。アルパインがこだわる音質を、個人レベルで留めていては、その人がいなくなったら終わってしまうので、マイスター制度にして常に訓練をしています。

例えば、訓練室でヘッドフォンを付けて聴き分けをしたり、あとは複数のスピーカーで鳴らして、ズレている音を探したり、そのような訓練をみんなが積むことでサウンドマイスターを育成しています。そういった音の継承ができるような組織を作ってるんですよね。

こだわり抜いた音でクルマを単なる移動手段から、楽しいものに!

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− 御社は「音」に対して徹底的にこだわっていることが伝わってきたのですが、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?

鈴木:ちょっとマニアックな話になってしまうんですけど、スピーカーはB&W(イギリスの最高級オーディオメーカー)で、ジェフローランド(アメリカの超高級オーディオメーカー)のアンプを使っているんですよね。オーディオマニアが見たら、「なんでこんな凄いのを使ってるんだろう?」っていうレベルで。音にはこだわり抜いています。

− 音響にお金を掛ける人も少なくなっていく中で、とことん音にこだわっているのは圧巻です。やはり「音のアルパイン」として勝負していくのですね。

鈴木:あと、クルマって単なる移動の手段じゃなくて楽しいものじゃないですか。音楽はそもそも楽しいものなので、「楽しいためにはやっぱり音を良くしないと」って考えています。

— 音を良くするとは?

鈴木:「いい音」って変な音を出さないことに尽きるんですね。例えば、変な音楽が鳴っていると会話は成り立たなくなりますし、右のスピーカーと左のスピーカーで音がズレていると気持ち悪くなったりします。だから、変な音じゃなくて自然な音を出して、車内を心地よい空間にしたいというのが私たちのやりたいことです。

音って絶対脇役なので、クルマに乗っている人たちを笑顔にさせたり、楽しんで話をしてもらえるように邪魔にならない音を一番に目指しています。聴いていて心地よい自然に近い音をスピーカーで忠実に再現するための挑戦を続けているわけです。

− なるほど。そのように音のプロフェッショナル集団としての研鑽を絶やさない仕組みがあるからこそ、「アルパインの音」がずっと守られているのですね。

 
取材協力:アルパイン株式会社 サウンド製品設計部 鈴木秋雄様

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