知る楽しみ 麺にモーツァルトを聴かせる!?サウンドマイスター鈴木氏に聞く車内音響の変遷と極意【アルパイン試聴室Vol.1】
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  • 2016.02.02

麺にモーツァルトを聴かせる!?サウンドマイスター鈴木氏に聞く車内音響の変遷と極意【アルパイン試聴室Vol.1】

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「クルマって本来楽しむものじゃないですか。楽しい場所には音楽が必要で、音楽がなかったらクルマを運転するのもおもしろくない。そのために、やはり音をよくしないと」

今回は、アルパイン随一のサウンドマイスターとして活躍する音響の雄、鈴木秋雄氏を突撃取材しました!

 

胎教ではなく麺教? サウンドマイスターが行っている音への意外なこだわり

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鈴木:うち、実は家内がラーメン店をやっていて僕も手伝ったりするんですけど、自家製麺にいつもモーツァルトを聴かせているんです。

—え? どいうことですか。麺に音楽を聴かせていると?

鈴木:変な話ですいません(笑) たぶんやってる方は他にもいらっしゃると思うんですけど。たとえば、牛にもそういう音楽を聴かせて美味しい牛乳を採るとか。あと、フルーツでは甘みが増すとか、メロンやラフランスが結構有名ですね。

—具体的にはどのような環境で聞かせているのでしょうか?

鈴木:実は家にオーディオ機器がいっぱいあるんですね。昔の製品なので結構大きいのですが、先の震災があって家の中がぐちゃぐちゃになってしまって、そしたらオーディオの置き場がなくなってしまったんです。

それで倉庫の中に入れたんですね。そこがたまたま麺を作る麺工房だったので、麺とスピーカーが同居していたんです。それがきっかけですね。この写真が現在の様子です。

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小麦って熟成時間が必要なんです。その熟成の時にモーツァルトを聴かせるんです。モーツァルトって気分が落ち着くとか、ヒーリングの要素があると聞いたことがあるので流しています。

赤ちゃんに音楽を聴かせるのは胎教なので、これは「麺教」ですかね(笑)

※注)同店舗においては、あらかじめ食品(麺)への衛生面での配慮を十分に行った上で、音響機器の清掃や取り扱いを日々徹底しています。

音響機器の方も倉庫でホコリをかぶらせておくよりは、定期的に鳴らして性能を確かめたいということもあります。

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▼”麺教”の味を試してみたい方はこちらから。
台湾ラーメン 味世(福島県郡山市)

 

「音がいいのは当たり前」だからこそ、アルパインは音以外の快適性を追求できた

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−鈴木さんが入社された当時から現在に至るまで、音響に関してどのように携わられてこられたのですか?

鈴木:ちょうど僕らが入った頃から「メジャー化戦略」というものがはじまったんです。全世界でメジャーになるための戦略のひとつで「音」よりも「デザイン」という、今までのアルパインの方向性にやや変化があったんですね。

−それはいつ頃の話なのでしょうか?

鈴木:1990年前後だと思います。

ひと昔前だと、高い部品を使って、お金を掛けることで音をよくしていったんですけど、アルパインは「これからはそんな時代じゃないし、カーナビと音響機器が一体型となれば、一般層や子育てファミリーの方々に、もっと買っていただかないといけない」と思ったんですね。

値段を上げずに、音をよくするにはどうすればいいかを考えた結果、音を増幅させるために必要なアンプの部分に着目して、その心臓部である回路を強化していったんです。回路を高性能化することで、高級な素材などの物量を投入することなく、ひとつの部品を変えることで音質向上を図っていったという感じです。

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−他社が素材の高級化路線で競っていく中で、アルパインは、あくまでも高級素材などを使わずに音質を伸ばしていった。では、そちらの方向に進むと思われた戦略のきっかけは何だったのでしょうか?

鈴木:これはすごく難しい話なんです。当時の時代背景からいってオーディオマニアとか、イベント、オーディオ雑誌がどんどん少なくなってきたということがあります。あとは、やはりiPod、iPhoneというデバイスが出てきたことで、その辺りから高級オーディオが少なくなってきたんですよね。

そこで、あからさまに高級感や上質感を打ち出しても、売れない時代に突入したんですよ。結局、アルパインの進む方向としては「音がいいのは当たり前」、そこからもっと「人がクルマの中で楽しむためにはどうしたらいいか」っていう本質的な部分を突き詰めて考え、エンターテイメント性に着目したり、より操作性を高めたり、携帯やスマホとの接続のよさを向上させたりしました。

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どちらかというと「一部のマニアの人だけではなく、もっと一般の人が欲しいものを提供しよう」というような考えで作っていました。もちろん、「アルパインってやっぱり最終的には音だよね」という信念は忘れずに取り組んでいましたね。

−音そのものへのこだわりに留まらず、その当時から「音を聴く環境をいかにユーザー視点で考えるか」という姿勢を突き詰められていたのですね。

 
次回のインタビューでは、そんな「アルパインの音」を守っていくために、若手の育成や技術継承のためにつくられた「サウンドマイスター制度」について詳しくお伺いします。

 
取材協力:アルパイン株式会社 サウンド製品設計部 鈴木秋雄様

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