知る楽しみ FF・FR・4WD…?クルマの駆動方式を初心者でもわかりやすく解説!
  • 知る楽しみ
  • 2018.10.30

FF・FR・4WD…?クルマの駆動方式を初心者でもわかりやすく解説!

shutterstock_730863970

クルマ選びをする際やクルマの種類について知ろうとするとき、「FF」「FR」「4WD」といった「駆動方式」についての知識が必要となることがしばしばあります。

自動車の駆動方式にはいくつか種類があり、それぞれどのような違いがあるのか、始めはなかなかわからないもの。今回は、初心者の方やあまりクルマに詳しくない方でもわかりやすいように、それぞれの駆動方式について解説していきます。

エンジンの配置などは理解できても、それがどういった意味をなすのかという点まではわからないという方も多いはず。駆動方式によってクルマの性能などが違ってきますので、この機会にそれぞれどのような特徴があるのか学んでいきましょう。

駆動方式とは?

shutterstock_248701945

「駆動方式」とは、自動車のエンジンの動力を車輪に伝える方式のこと。エンジンをどこに配置し、前輪・後輪どちらの車輪を回転させてクルマを走らせるか(=駆動輪)を表します。

駆動方式は大きく分けて「FF」「FR」「4WD」「MR」「RR」の5種類。これらは駆動方式の名前の頭文字をとったものです。4WD以外の4つは二輪駆動のバリエーションで、それぞれの前の文字がエンジンの搭載位置、後の文字が駆動輪を示しています。

一般的な市販車で採用されているのはFF、FR、4WDの3種類。MRとRRはスポーツカーなど一部の車種で採用されています。ちなみに、後部エンジン・前輪駆動に相当する“RF”とでも言うべき駆動方式は、通常の自動車ではメリットがないため使用されていません。

駆動方式にはそれぞれ特徴があり、走りの性能や運転フィーリングが異なるほか、室内の広さ・燃費、製造コストなどにも違いが生まれます。どのようなクルマに採用されている駆動方式なのかも踏まえながら、それぞれのメリット・デメリットなどを見ていきましょう。

FF(フロントエンジン・フロントドライブ)

出典:ホンダ公式(https://www.honda.co.jp/CIVICTYPE-R/webcatalog/styling/design/)

出典:ホンダ公式(https://www.honda.co.jp/CIVICTYPE-R/webcatalog/styling/design/)

▲ホンダ「シビック タイプR」

「FF」は車両前方にエンジンが置かれ、前輪で駆動する方式。いわゆる前輪駆動です。現代の自動車の主流と言え、軽自動車からコンパクトカー、ミニバン、都市型SUV、セダンまで広く採用されています。国内でも最も多く生産されており、特にコンパクトカーではFF以外が珍しいくらいです。

FFはボンネットの中にエンジンと駆動系が収まっています。エンジンの下に駆動輪があるため、動力を後輪まで伝えるプロペラシャフトという部品が必要なく、室内空間を広くできます。また、部品も少なく済むため、製造コスト低減や軽量化による省燃費も実現可能です。

FFはエンジンなどがある前方が重く、クルマを引っ張るような形になるため直進安定性に優れており、通常の走行ではコントロールしやすいのが利点。また、前方に荷重がかかることで前タイヤが自然と路面に押し付けられるため、滑りやすい路面でも駆動輪が空転しにくくなり、多少の雪程度であれば前輪にチェーンを巻いて十分に走行できます。

このように乗用車向きの特徴が多いFFですが、スポーツ走行をする際にはデメリットが出やすくなります。

前輪駆動は駆動輪と操舵輪(進行方向を変える車輪)が一緒であるため、最小回転半径が大きくなりやすく、アンダーステア(一定のハンドル角度で旋回しているとき、速度が上がると本来の走行ラインより外側に膨らむ特性。アンダーステアはアクセルを離すことで打ち消せるため、安全性のため乗用車は基本的にアンダーステアになっている)の傾向が強くなります。

これはスポーツカーとしては小回りが利きにくく、素早いハンドリングが難しいということ。また、FFは加速時に駆動輪である前輪の荷重が弱まる(急加速すると慣性によって荷重が後ろに移動するため)ことで駆動輪が空転してしまうため、大パワーには対応しにくいとされます。さらに、ボンネットにエンジンだけでなく駆動系の部品を収める必要もあるため、大きなエンジンは積めないというハンデもあります。

このようにスポーツカーとしては弱みもある駆動方式ですが、近年では技術の進歩によって問題点は薄れ、ホンダ「シビック タイプR」に代表されるFFで馬力の大きいスポーツタイプのクルマも存在します。

FR(フロントエンジン・リアドライブ)

出典:日産公式(https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/z.html)

出典:日産公式(https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/z.html)

▲日産「フェアレディZ」

「FR」は、エンジンはFFのように車両前方にありますが、後輪で駆動する方式。自動車文化の始まり頃からある定番の駆動方式とも言え、いわゆる後輪駆動と言うとFRのことを指す場合がほとんどです。今日では大型の高級セダンやスポーツカーなどに採用されており、主にコントロール面での運転の楽しさが味わえる駆動方式と言われます。

ボンネットにあるエンジンの力を後輪まで伝達する必要があるため、プロペラシャフトが車体中央の床下を貫いており、古いクルマなどで後席中央の足元の盛り上がりがあるのはこれによるもの。さらにトランスミッションなどの駆動系の部品も車内空間に影響する位置にあり、車内空間はFFより狭くなりがちです。部品も多いため、車体は重く、製造コストは高くなりやすくなります。

一方で、エンジンは前方、駆動系は後方に置くことで振動を全体に分散でき、静粛性や乗り心地に優れます。また、前後の重量バランスが良く、前輪・後輪が操舵・駆動で役割分担しているため、それぞれのサスペンションなどを適切に調節しやすいことも乗り心地の良さに関わります。こういった面は、FRが高級車に採用されやすい理由のひとつと言えるでしょう。

性能についても、重量バランスの良さや前後輪が役割分担していることによって、干渉するものがないため、素直で軽快なハンドリングが可能。小回りが利きやすい一方、直進安定性はFFよりも落ちやすく、荒れた路面や雪道ではスピン・スリップしやすいという面もあります。ただし、スポーツ走行においてはドリフトしやすくなります。

また、FFとは反対でボンネットにスペースがあるため大きなエンジンを積むことができ、急加速時も駆動輪である後輪に荷重がかかるため、FFより加速性に優れることもメリット。このようにFRは乗用車よりもスポーティなクルマに向いた駆動方式となっています。

4WD(フォー・ホイール・ドライブ)

出典:スバル公式(https://www.subaru.jp/wrx/sti/special/photo.html)

出典:スバル公式(https://www.subaru.jp/wrx/sti/special/photo.html)

▲スバル「WRX STI」

「4WD」はAWD、AWC、4×4(フォー・バイ・フォー)などとも呼ばれ、4輪すべてを使用して駆動する方式です。エンジンの位置はフロント・リアの両方の車種があります。

滑りやすい道や悪路に強いというイメージの通り、クロスカントリー車や走破性の高い本格派SUVはもちろん、セダン、スポーツカー、雪国のコンパクトカーやミニバンなどにも採用されている駆動方式です。

4WDをさらに細分化すると、通常は二輪駆動で必要なときに手動で4WDに切り替える「パートタイム4WD」や、常に四輪駆動で走る「フルタイム4WD」、最近では必要なタイミングで自動的に4輪駆動になるものなどがあります。

4WDの安定性は、4輪すべてで駆動するため一部の車輪が浮いてしまっても駆動力を地面に伝えられることに由来するもの。スポーツカーにも採用されているように、高速走行時も安定して路面をとらえられるため、直進安定性・操縦安定性に優れています。また、2輪ではタイヤが負荷に耐えられないようなパワーも4輪に分配できるため高出力にも対応可能です。

利点が多くさまざまなクルマで採用されている4WDですが、すべての車輪に駆動力を伝える部品や前後輪の回転差を吸収するセンターデフといったパーツが必要となるため、車体は重く、製造コストも高くなります。また、近年は技術の進歩で極端ではなくなったものの、二輪駆動と比較すると燃費が伸びにくいといった傾向もあります。

MR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)

出典:ホンダ公式(https://www.honda.co.jp/NSX/webcatalog/styling/design/)

出典:ホンダ公式(https://www.honda.co.jp/NSX/webcatalog/styling/design/)

▲ホンダ「NSX」

「MR」はエンジンが前後輪の中間寄りにレイアウトされ、後輪駆動で走る方式です。主にスーパーカーやレーシングカーなど、高性能なピュアスポーツカーで採用されています。多くのMRはエンジンが後輪寄りにある「リアミッドシップ」ですが、後輪駆動のひとつであるため、FRと同じく前後輪で役割分担されており、効率よくクルマを走らせることが可能。重量バランスが良く、コーナリング時の回頭性(クルマの方向の変えやすさ)や加速性にも優れ、非常に高い運動性能を誇ります。

しかしながら、エンジンが中央に迫る形ゆえに車内空間やトランクスペースは狭く、座席も1列の2シーターがほとんど。席のすぐ後ろにエンジンがあるためエンジン音が響きやすいというデメリットもあります。

MRはオーバーステア(アンダーステアの逆で、旋回時に速度を上げるとコーナーの内側に切れ込む特性)の傾向が強め。さらに、重心が中心部に近いためスピンしやすいなど、コントロールが難しく運転には技術を必要とします。

このようにMRはFR以上にスポーツカーに特化した駆動方式と言え、フェラーリやランボルギーニなどで採用されています。国産車では稀で、ホンダ「NSX」やトヨタ「MR2」「MR-S」など一部のスポーツカーがMRとなっています。

RR(リアエンジン・リアドライブ)

出典:ポルシェジャパン公式(https://www.porsche.com/japan/jp/models/911/911-carrera-models/911-carrera/)

出典:ポルシェジャパン公式(https://www.porsche.com/japan/jp/models/911/911-carrera-models/911-carrera/)

▲ポルシェ「911カレラ」

「RR」はボディ後方にエンジンを配置し、後輪で駆動する方式。FFの逆の形ですが、昔は操舵・駆動が一緒になるFFはむしろ技術が必要でコストが高く、ハンドルが重くなるといった難点があったため、1960〜1970年代の小型車などではRRが多く採用されていました。

現在は世界的にもごく少数となっており、RRの車種として有名なのがポルシェ「911」。乗用車についてはかなりマイナーな方式である一方で、大型バスの多くは実はRRを採用しています。

FR、MRと同様に後輪駆動の利点が当てはまりますが、特に前方が軽く後方に大きな荷重がかかる作りであるため、発進時などの瞬発力はMR以上に強力。反対にブレーキ時は荷重が前方に寄り、前後輪にバランスよく荷重がかかるためブレーキ性能が高くなります。

しかしながら、小回りが利きやすい反面、ハンドルが切れすぎてスピン・横転しやすく、コントールが難しいという側面も。そのためRRは古くある形で運転性能は高いながらも、現代の自動車事情との関係や運転技術を要することによって、ほかのものと比べてより趣味性の高い駆動方式となっているのです。

駆動方式が変われば運転感覚も違う!

同じようにエンジンの力をタイヤに伝えて走らせる自動車も、その内部の駆動方式にはいくつかの種類があります。それぞれの駆動方式には特性や得意・不得意があり、居住性や運転した感覚なども違ってきます。

一般的なクルマで多い駆動方式はやはりFFですが、必要に応じて4WDを選んだり、スポーティなFRのクルマに憧れたりすることがあるはず。ボディタイプなどと同様に駆動方式はクルマの重要な項目ですので、ぜひ今後の車選びやカーライフの参考にしてください。

*記載している内容は取材時のものです。
*駆動方式の特徴等は車種によって異なる部分があります。

最新記事

人気記事