知る楽しみ 「鼓動」「絶対に壊れない」!? デザインに秘められた想いがわかれば、クルマはもっとおもしろくなる!
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  • 2016.02.16

「鼓動」「絶対に壊れない」!? デザインに秘められた想いがわかれば、クルマはもっとおもしろくなる!

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クルマは、そのボディデザインから、私たちにさまざまなメッセージを伝えてくれます。

デザインには自動車としての機能性はもちろん、作り手の意図や想いが表現されているもの。

果たして、普段目にするクルマのデザインには、どんなメッセージが込められているのでしょうか?

いままでボディに込められたデザインについて、あまり知らずに乗っていたという人も、街中を走るクルマをただながめていた人も、ちょっとだけ周辺知識を知ることをおすすめします。そうすれば、クルマは、饒舌にあなたに話しかけてくるんです!

国内外の自動車メーカーが採用しているデザインのコンセプトに詳しく迫っていきましょう!

 

動物と対峙するような緊張感をクルマに。マツダの「鼓動」デザイン

近年のマツダがデザインコンセプトとしてかかげる「鼓動」デザイン。このデザインコンセプトには、マツダのクルマづくりへの情熱が詰まっています。

鼓動とは心臓から伝わる響き、つまり命の響き。
モノであるクルマに、「生き物と対峙するような緊張感と、生命と触れ合うことで感じる温かみ」をもたせたい。これが、鼓動デザインに込められた想いです。

まずは、下の写真をご覧下さい!
こちらは、マツダが誇るフラッグシップモデルのアテンザ。
前に進んでいくかのような、躍動感のあるフォルムですが、このデザインはある動物がモチーフになっています。

LINRINさん(@_rinsta_)が投稿した写真

その動物とは「チーター」。特にアテンザの場合、チーターがトップスピードに達した時の姿がイメージされているとか。
言われてみると、いまにも飛びかかってきそうなデザインに見えるかも!?

マツダが手がける鼓動デザインでは、アテンザだけでなく、躍動感あるチーターの姿が表現されています。

例えば、ポピュラーなモデルであるデミオもチーターが地面を蹴って動き出す瞬間をイメージしてデザインされています。

Ronny Bayuさん(@ronnybayu)が投稿した写真

車種ごとに違ったチーターの姿が表現されているマツダ車。その姿からマツダの熱い「鼓動」を感じとってみてください!

 

ヨーロッパフォードの攻めの姿勢が映しだされた「キネティック」デザイン

世界で初めて自動車の大量生産に成功したアメリカのフォード社。
世界史の教科書に出てくるほど有名な企業です。そのフォード社がヨーロッパに設立した自動車会社が欧州フォードです。

欧州フォードでは、「キネティック・デザイン」と名付けたデザインコンセプトを長年に渡り採用していました。
「キネティック」を日本語に訳すと、「動的」といった意味になります。

このデザインを採用したコンセプトカーが発表されたのは2005年のこと。
その躍動感あふれるフォルムには、「デザイン面において欧州の自動社業界をリードする」という欧州フォードの意気込みが込められています。

Ford UKさん(@forduk)が投稿した写真

2006年に登場したS-MAXや2007年に登場した3代目モンデオなどに、キネティック・デザインのエッセンスが凝縮されています。
その特徴は優美な面構成の中に、鋭角なエッジ感を絶妙なバランスで配置している点にあります。
上の写真を見ても、例えばサイドパネルにシャープなラインが刻まれているのがわかるはずです。

さらにもう一つの特徴が台形です。フロントグリル上下に台形が取り入れられていますが、このデザインを積極的に取り入れ、キネティック・デザインのアイコンとし、まさに、「フォードの顔」と呼べるデザインに仕上がっています。

 

「ビルから落としても壊れない」安全神話をもつボルボの「堅牢」デザイン

安全性の高い車を作る自動車メーカーとして名高いスウェーデンのボルボ。
1959年に三点式シートベルト、1972年に後ろ向きのチャイルドシートを開発するなど、ボルボは車の安全性を高めるための努力を絶えず行ってきました。

そんなボルボのクルマの安全性を語るうえで欠かせないのが、堅牢なボディデザイン。

上記画像の「240」シリーズなどのボディは四角くて、いかにも頑丈そう……

実際に当時のボルボのボディに使われていた鉄板はかなり分厚いもの。
まだ、薄くて丈夫な鉄板を加工する技術がなかったからこそ、単純に分厚い鉄板を車体に使ったといいます。
ですが、その頑丈さから「ボルボは、ビルから落としても壊れない」「絶対に壊れない」という安全神話も生まれたとか。

また、四角いボディにすることで、小ぶりな車体であっても車内は大きく感じられ、大きなフロントガラスは運転席からの見通しをよくすることで、頑丈なだけでなく安全に乗ることができるクルマとして、確固たる評価を得つづけています。
この「安全性に追従した車体のデザイン」は創業者の「乗る人」を中心に設計するというマインドがあるからこそです。

四角く無機質なデザインですが、安全性と人の温かみから生まれたといえるかもしれません。

 

世代を超える認知度を獲得した、BMWの「ニーレングリル」

1917年からクルマを作り続けているドイツのBMW。

高級車メーカーとして世界中で確固たる評価を獲得しているBMWですが、ときおり「あるパーツ」のデザインが話題にあがることがあります。

そのパーツとは、フロントグリル。
左右のヘッドライトの間にある、スリットや網の入ったパーツですが、BMWのフロントグリルは、左右対照の四角形デザインを採用しており、その形状から「豚鼻グリル」なんて呼ばれることもあります。

BMWさん(@bmw)が投稿した写真

高級車なのに、あまりカッコイイ呼び名ではありません……

このフロントグリルのデザイン、正式には「キドニーグリル」もしくは「ニーレングリル」といいます。
キドニー、ニーレンとは腎臓という意味。左右に並んだ腎臓に似ていることから、こうした名称が生まれたとか。

「ニーレングリル」は、1933年に登場した「303」というモデルから絶えることなく受け継がれる伝統のデザイン。

なぜ、BMWはこのデザインを使い続けるのでしょうか? 答えは簡単! このグリルデザインによって、ほかのメーカーの車と見分けがつくようにするためです。

クルマに詳しくない人でも、あの独特のグリルを見れば「BMWだな」とわかるはず!

グリルのデザインに統一性をもたせることで、BMWの車は世代を超える認知度を獲得しました。

BMWを印象づけるグリルデザインを「豚鼻グリル」なんて呼んでは、ちょっと失礼かもですね!

 

レクサスの個性を強調する「スピンドルグリル」

フロントグリルのデザインをブランドの象徴とする自動車メーカーは、BMW以外にもあります。

たとえば、トヨタのハイエンドブランドであるレクサスもそのひとつ。
独特の形状をもつ「スピンドルグリル」は、レクサスを象徴する、まさにアイコンとなっています。

スピンドルとは紡錘(ぼうすい、糸をつむいで巻き取る軸)という意味。
逆台形と台形を重ねたようなグリルの形状が紡錘に似ていることから、この名称が生まれました。

スピンドルグリルを採用する以前のレクサスは、「高級車としては特徴がなく退屈」「他のトヨタブランド車と区別がつかない」などの意見があったため、個性的なグリルデザインの作成を行うことに。

そこで登場したのが、特徴的でひと目で「レクサス」と分かる個性的な糸巻き型の大きなフロントグリルでした。

もともと逆台形グリルを採用していたレクサスでしたが、そこに追加されたのがローグリル。デザインだけでなく、ここから空気を取り入れ、走行性能に反映させる、という機能的な意味合いも見逃せません。
デザイン、そして性能を追求した結果の糸巻き型のグリルデザインなんです!

 

クルマの第一印象を決める重要なデザインに注目

クルマのデザインには自動車メーカーの想いや意図が込められています。

ぜひ、身近を走るクルマのカタチをじっくり観察してみてください。
それぞれのパーツやデザインに込められた「メーカーの想い」が伝わってくるかもしれません。

今後、レンタカーを借りたり、クルマを購入したりする時は、デザインに注目してみると、クルマはもっと楽しくなるはずです!

*記載している内容は取材時のものです。
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